食品ロスを家庭で減らす、今日からできる小さな習慣

「まだ食べられたのに、捨ててしまった」。冷蔵庫の奥から出てきた野菜を前に、ため息をついたことはありませんか。

食品ロスというと、大きな社会問題のように聞こえます。でも家庭のロスの正体は、日々の「ちょっと忘れてた」の積み重ねだったりします。

この記事では、家庭でできる小さな工夫を集めました。どれも今日から試せるものばかりです。

家庭の食品ロスは「うっかり」から生まれる

日本の食品ロスのうち、半分近くは家庭から出ているとも言われます。とはいえ、わざと捨てている人はいません。

ほとんどは、こんな「うっかり」の積み重ねです。

  • 冷蔵庫の奥で野菜がしなびていた
  • 安売りでまとめ買いした肉を、使い切れなかった
  • 作りすぎたおかずを、食べきれずに処分した
  • 棚の奥から、期限切れの乾物や調味料が出てきた

思い当たるものがあっても、落ち込む必要はありません。これは性格の問題ではなく、仕組みの問題だからです。

「忘れないように頑張る」のをやめて、「忘れても大丈夫な仕組み」を作る。これが遠回りに見えて、いちばんの近道です。

買い物の前の30秒で変わる

冷蔵庫を見てから家を出る

家庭の食品ロスの多くは、実は買い物の時点で始まっています。家に何があるか分からないまま買うと、同じものがもう1つ増えるからです。

出かける前に冷蔵庫を開けて、ざっと眺める。30秒もかからないこの習慣だけで、「卵、まだあったのに」がぐっと減ります。

スマホで庫内を撮っておくのもおすすめです。売り場で「あれ、あったっけ?」となったら、写真を見れば済みます。

ついでに、野菜室とチルド室も一枚ずつ。この2か所は扉を開けても見えないので、忘れ物の名所です。

「安いから買う」の前に一呼吸

特売品は、使い切れれば立派な節約です。でも使い切れなければ、「安く買ったものを捨てる」ことになってしまいます。

かごに入れる前に、「これ、いつ何に使う?」と一呼吸。献立がひとつも浮かばないものは、たぶん今週は出番がありません。

迷ったら、いったん棚に戻して店内を一周してみる。それでも欲しければ買う、くらいでちょうどいいバランスです。

保存は「見える化」がすべて

買ったあとのロスは、たいてい「見えない場所」で起きます。ぱんぱんに詰まった冷蔵庫では、あるものも「ない」ことになりがちです。

「先に使うコーナー」を作る

冷蔵庫の中に、早く使いたいものだけを置く一角を決めます。場所は、扉を開けてすぐ目に入る、目線の高さがおすすめです。

開封済みのもの、昨日の残り物、期限が近いもの。迷ったらそこに置いて、料理のときはまずそこから使います。

「管理する」というより、「置き場所を1つ決めるだけ」。それでも冷蔵庫の奥で忘れられる食材は、目に見えて減っていきます。

「賞味期限=捨てる日」ではない

期限の表示には2種類あります。「消費期限」は安全に食べられる期限で、こちらは守りたいライン。

一方の「賞味期限」は、おいしく食べられる目安とされています。過ぎた瞬間に食べられなくなる、という意味ではありません。

もちろん、見た目やにおいの確認は必要です。ただ「日付を1日過ぎたから即ゴミ箱」と反射的に捨てる前に、一度立ち止まる価値はあります。

捨てがちな食材から対策する

なんでも完璧に管理しようとすると、疲れて続きません。まずは、よく捨ててしまう食材だけ対策するのが現実的です。

食材ありがちな失敗小さな対策
レタス・葉物奥でしなびる目線の高さに置き、早めに使い切る
もやし足が早く、気づくと傷む「買った日か翌日に使う」前提で買う
肉・魚チルド室で期限切れ当日使わない分は、その日のうちに冷凍
豆腐・納豆期限をうっかり過ぎる「先に使うコーナー」を定位置にする

半端野菜の「逃げ道」を決めておく

中途半端に残った野菜は、行き先をあらかじめ決めておくとラクです。おすすめは「なんでも味噌汁」と「なんでも炒め」。

週に1回、冷蔵庫の半端野菜を全部入れる日を作ります。献立を考える手間も減って、一石二鳥です。

冷凍庫も心強い味方です。きのこや油揚げ、刻んだねぎは、冷凍しておくと味噌汁の具にすぐ使えます。

食べ切れないと感じたパンやご飯も、早めに冷凍へ。「あとで食べよう」の「あとで」を、冷凍庫が待っていてくれます。

ご飯ものなら、チャーハンや雑炊も受け皿になります。「余ったらあの料理にすればいい」と思えるだけで、半端な食材を持て余す気持ちがずいぶん軽くなります。

作りすぎたおかずは、「明日も同じものを食べる」より、少し姿を変えるのがコツです。

肉じゃがはカレーに、きんぴらは混ぜご飯に。姿が変われば、意外と飽きずに食べ切れます。

ゼロを目指さなくていい

食品ロスを完全になくすのは、正直かなり難しいことです。捨ててしまった日があっても、自分を責めなくて大丈夫。

「先週より1つ減った」くらいのゆるさで続けるほうが、結果的に長く続きます。食費の面でも、捨てる分が減ればそのまま節約につながります。

家族と暮らしているなら、「先に使うコーナー」の場所だけ共有しておくのもおすすめです。「そこにあるものから食べてね」の一言で、家族も戦力になります。

まずは今日、冷蔵庫を開けて、忘れられかけた食材をひとつ救出してみてください。それが今晩の一品に変われば、もう立派な食品ロス対策です。

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